PR

ブラック企業必殺労災隠し再び。現場研修で数針縫うけが、社長に嘘を強要された話。

電動工具屋時代

「現場作業でケガしたと言うな」
「商品説明に行って説明しに行った時に誤って切ったと言え」

太ももを切って数針縫った
その日の夕方
社長にそう言われた。


入社して半年が経った頃のことだ。

季節は真夏。

ある日、社長から急にこう言われた。

漆黒企業社長
漆黒企業社長

「来週から2週間、現場研修に出てもらう」

現場研修といっても実態はシンプルで、
お得意様の大工さんの現場に送り込まれ、
雑用として働くというものだった。

商品を売る側が、使う側の現場を知るための研修。
聞こえはいい。

ただ、元社畜。
前職は人材派遣業…
こういった形で社員を他社の現場に送り込む場合、
本来は労働者派遣法に基づく許可が必要になる。

うちの会社にそんな許可があったとは到底思えない笑

研修という名目でグレーなことをやっていたわけだ。


現場は元社畜の住んでいる市の隣の市だった。
とある新築の住宅工事。

真夏の屋内現場。

風は吹いても熱風で、
粉塵と木材の匂いが充満している。

大工さんの親方は黙々と手を動かしていた。

邪魔にならないよう気を配りながら
指示された雑用をこなす日々。

研修3日目のことだった。

狭い箇所の一角で断熱材の切り出し作業をしていた。

腰には道具入れのホルダー。

いわゆる腰道具というやつで、
カッターナイフやスケールなどを入れた
現場では当たり前の装備だ。

動こうとした瞬間。
腰道具のホルダーが、足場パイプに引っかかった。


体が一瞬、横にぶれた。


そのとき手に持っていた
カッターナイフが、太ももにあった。

ザク。


という感覚は、
不思議なほどはっきりと覚えている。

痛みは
最初、なかった。

見ると、
作業着の太もも部分が
じわりと赤くなっていた。


大工の親方に声をかけた。
親方は一目見て言った。


「病院行け」


それだけだった。
余計なことは何も言わなかった。


その潔さに、少しだけ救われた気がした。

車で
近くのクリニックに飛び込んだ。


数針縫う深さだった。

病院をあとにして
向かったのは
ワークマン。

新しい作業着を買った

血だらけの作業着で
店内をうろついたため

店員さんも驚いていただろう笑

10年経った今でも傷跡は残っている。


会社に戻ったのは夕方。

社長はすでに報告を受けていた。

帰社すると、
社長に呼ばれた。


社長は私の顔を見るなり、言った。

漆黒企業社長
漆黒企業社長

現場作業で怪我したなんて広まってみろ。
大工さんに迷惑がかかるだろうが。

商品説明しに来たときに、
誤って切ってしまったと言え。


怒鳴っているわけでも、
脅しているわけでもない。

至極当然のことを言い聞かせるような、
静かなトーンだった。


怪我をしたのは私だった。
縫ったのも私の太ももだった。


それでも社長の頭の中にあったのは、
お客さんへの影響だけ。


怪我をした社員への言葉は、
ついに一言もなかった。

代わりに出てきたのは、
嘘のシナリオだった。

元社畜
元社畜

わかりました…



それ以外に言えることが思い浮かばなかった。


実際、労災は使わなかった。
治療費は自分で払った。


翌日、現場に行くと、
親方はいつも通り作業をしていた。


私の顔を見て、
一言だけ言った。


「来れたか」


それだけだった。


心配しているのか
ただの確認なのか


よくわからない言い方だった。


ただ、その短さが妙にありがたかった笑


研修の最終日の前日、

親方
親方

明日。
新しい丸ノコ持ってきてくれ。



新しい丸鋸を買ってくれた。

いつもの仕入れのついでのような顔をして、
品番を指定して、
注文をしてくれた。


私も何も言わなかった。


ただ、嬉しかったので
丸ノコの替刃を
プレゼントとして
一緒に持って行った。


親方との付き合いは、
その後もしばらく続いた。


社長の「言え」という言葉と

親方の「来れたか」という言葉が、


今でもときどき並んで浮かぶ。


どちらが先に私のことを考えていたか。
改めて言葉にするまでもない話だった。


社員は物ではありません。
人間扱いしてくれる職場はこちらから↓


別の会社時代の労災話はこちら↓


noteではブログで反響が大きかった体験や
実際にブラック企業脱出に役立ったことを記事にしています
合わせてご覧ください。

リンクはこちら→noteを見る


投票ご協力ください↓

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ セクハラ・パワハラへ
にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました